ウィスキー カナディアン&ジャパニーズ編

ウィスキーとは、麦やトウモロコシなどの穀物を原材料とする蒸留酒です。いろいろな国で生産されていますが、特に有名なのは、スコットランド、アイルランド、アメリカ、カナダ、そして日本でしょう。アルコール度数は40度くらいから、強いもので60度を越すものもあります。木の樽で数年から十数年、なかには数十年もの長期にわたって寝かせる(熟成)ため、最初はすべて無色透明だった原酒も、琥珀色をしているのが特徴です。

それでは、国別・タイプ別にみていきます。(ウィスキーの詳しい製造工程などはここでは省略します。産地や特徴、細かな違いなどはありますが、おおまかには似通った工程を踏みます。いつか別ページで解説したいと思います。)

カナディアン・ウィスキー

上記の五大ウィスキーと言われるなかで、一番軽快でライトなタイプのウィスキーが、これから述べます「カナディアン・ウィスキー」です。

カナダにおけるウィスキー造りは、まず異なるふたつのタイプのウィスキーをつくります。それが「ベース・ウィスキー(トウモロコシが主体)」と「フレーバリング・ウィスキー(ライ麦が主体)」です。連続式蒸溜という、比較的近代的な蒸溜方法を基本とすることにより、きわめて穏やかでクリーンな原酒をつくり、熟成ののち両者のウィスキーをブレンドします。

なお不思議なことに(と、まるで人ごとみたいな物言いですが)西麻布バーオレンジには、このカナディアン・ウィスキーが何故かございません。もっと不思議なのは、それでも開店以来、ほとんど困ったことがないのも事実です。決して悪いウィスキーではないのはここに保証するのですが、いまのウィスキーの嗜好は、シングルモルトのアイラ島産に代表されるような、ヘヴィータイプに人気が集まっているのかも知れません。

最後に具体的な銘柄を挙げておきます。カナダ・ウィスキーの代表格とも言える知名度の「カナディアン・クラブ」や、「クラウン・ローヤル」がよく知られています。

ジャパニーズ・ウィスキー

山崎12年

さて、ウィスキー編の最後に登場するのは「ジャパニーズ・ウィスキー」です。

日本のウィスキーも、五大ウィスキーの一角を成す優れたものです。主流はモルト・ウィスキーとブレンデッド・ウィスキーです。ウィスキー造りのお手本として、スコットランドに多くを学んだ国産ウィスキーは、スコッチに似たタイプのお酒と言えるでしょう。ただ、スコッチの大きな特徴といえる「ピート香」が抑えられ、マイルドでデリケートな酒質を生みだします。

造り手として代表的なのは、戦前から続く「サントリー」や「ニッカ」が有名です。

具体的には、西麻布バーオレンジ唯一の国産ウィスキーの「山崎」の他、「オールド」「響」(以上、サントリー)、「余市」「竹鶴」(以上、ニッカ)などの銘柄があります。

ウィスキー編の最後に

どうやら、店の品揃えに比例した文章量となってしまいましたが、これまで述べてきたすべてのウィスキーは、本当に多種多様の楽しみ方ができるお酒です。単に「水割り」ひとつとってみても、氷を入れたり入れなかったり、水との割合を変えてみたり、そのウィスキーの国の水で割ったり、水の上に静かにウィスキーを浮かべてみたり…などなど。

恐らく先入観で「ウィスキーは苦手」とおっしゃるかたも、きっとそれは、まだご自身にぴったり合うウィスキーと巡り合っていないだけかも知れません。何百何千のボトルの中から、一番最初に口にした銘柄が自分にとってのベストチョイスに当たるほうが稀でしょう。

そもそも、一番目から判定を下すのは早すぎます。「お楽しみはこれからだ」…です。また、例えばハタチの時に飲んだウィスキーの印象があまり良くなかったとしても、その後いろいろなお酒やツマミやお店や人生経験を経たのであれば、数年、十数年という時間のおかげで、最初とは違った感想をきっと持てるはずです。第一、時とともに味覚は変化し鍛えられ、誰と飲むか、どこで飲むか、いつ飲むか、どう飲むか…などのシチュエーションの違いで印象は一変するでしょう。カクテルのベースにしてみるのもいいでしょう。ですからぜひ一度、お店のバーテンダーのかたに話を聞いてみたり、いろいろご相談されてみることをおすすめします。

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